天使なんかじゃない / 天ない

天使なんかじゃない / 天ない

『天使なんかじゃない』とは、漫画家矢沢あいによる少女漫画である。『リボン』(集英社)という雑誌において約3年連載されていた。この漫画は、創立されたばかりの新しい高校の生徒会を舞台にして、生徒会役員に選ばれた高校生たちの学園生活や友情、恋愛模様を描いた作品となっている。主人公の冴島みどりは、キャラクターの設定として、ポジティブ元気な行動力のある女の子。読者の中には、まさに理想の高校生の姿としてとらえられ、人気が高い。彼女は、絵の才能があり、自ら美術部を発足させるなど、行動力もある。須藤晃と恋人同士で、彼らのやりとりがティーンエイジャーだけでなく、大人の女性にも、幸せ感や切なさなど、恋愛におけるあらゆる感情を湧きおこさせ、ファンからは、ストーリーの展開に対する支持も強い。この作品は、漫画家である矢沢あいの出世作で、小説家もされている。聖ヶ丘という町が作品の舞台となっていて、ファンにとっては「聖地」となっている場所である。須藤ザウルスという須藤晃をモチーフにした、マスコットキャラクターも人気を博した。

otoya2のレビュー・評価・感想

天使なんかじゃない / 天ない
10

ただの恋愛マンガじゃない、人生そのもの

これまでの恋愛マンガの中では断トツに心を打たれた。
まずタイトルに惹かれて、最後まで読むと作者がこのタイトルに込めた思いが分かる。
生徒会という誰もが知ってる学生の青春を軸に、家族愛・友情愛・師弟愛・恋愛などヒューマンドラマが詰まっている。
主人公翠の心の描写が秀逸で、本当は誰もが愛されたいし愛したいけど、結局は天使のようには振る舞えないという事がとても伝わってくる。マンガだけど、「実際こういう感情あるよね。」と共感しやすい。
決して幸福で順風満帆ではなかった生徒会長の晃が、翠との出会いで変わっていく様は見所の1つ。二人の恋愛模様もまさにタイトルに繋がる部分で、何が恋愛の幸せなのかを問われている気がする。相手を思うがゆえに離れることも愛情なんだと気付かされる。また、友情にも本当に胸を打たれる。生徒会の一員のマリリンが翠によって周りに心を開いていくところや一人の人を思い続ける様子は、自分のリアルの友達にもあてはまっていて友達にも読むことをすすめた。
高校生のころハマっていたが、これは社会人に是非読んで欲しい!
仕事に行き詰まったり恋愛や家族との在り方に悩んだら、男性にも読んで欲しい。
単行本だけでなく保存版も発売されていて、カバーがきれいでお洒落なのも魅力の一つである。