想像の上をいく、リアリティなスポ根アニメ
バレーボール。
何人競技なのか、どのようなルールがあるのか、まったく興味が無かった。
しかし、今ではテレビで実際の競技を観戦し、面白いと思えるほどになってしまった。
スポーツを題材とした少年向け作品の中には、人間の構造上ありえない技が連発するものや初心者がありえないスピードで成長していくものなど、いまいちリアリティに欠く作品が多い。
そんな昨今のスポーツ作品の中では、ずば抜けてリアリティを追及した作品なのではないかと思う。
もちろん主人公の成長スピードは超人的ではあるが、そこへ行きつくまでの裏側が丁寧に描かれている。
何より、登場人物の個性が強く、それぞれ個の取り上げ方が大胆かつ丁寧だ。
これまでのスポーツ作品は、自チームの葛藤や成長を中心に描かれることが多かった。
が、この作品に関しては相手チームのストーリーが多く取り上げられる。もちろん自チームとの試合中にだ。
公式戦の一試合が行われる中、自チームの葛藤と成長、相手チームの葛藤と成長が交互に描かれる。
目の前の高すぎる壁に絶望しながらも仲間とともに乗り越えていく様は、誰もが経験したことがあるのではないか。
1人1人のストーリーがとても丁寧に描かれているため、気が付くと感情移入し涙を流してしまう。
バレーボールというスポーツ自体にハマってしまう、そんな魅力のある作品だと思った。
しかし、この作品にも欠点が1つある。
登場人物が多すぎる、取り上げる人物が多すぎる。
もちろん、推しを作りたい人にとっては長所ではあると思うが…。
全員の名前と顔を覚えられずに終わった。