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自分史上最高のマンガ
今回紹介したいのは、藤田和日郎先生の「うしおととら」です。これは、私が今まで読んだマンガの中で、一番と言えるほど、大好きなマンガです。主人公「うしお」は中学生。少年マンガっぽく、熱く、まっすぐで、嘘が付けない少年です。うしおの実家はお寺なのですが、敷地内にある蔵に地下室があり、そこには2000年以上前に生まれた大妖怪が封印されていました。うしおは、ひょんなことから蔵の中にあった伝説の退魔の武器「獣の槍」を抜き、この槍によって封じられていた大妖怪「とら」を開放してしまいます。「うしお」と「とら」。この二人の主人公が、様々な事件に巻き込まれたり、首を突っ込んだりしながら、旅をしていく…というお話です。旅の当初、うしおの目的は「母のことを知る為」でしたが、母のことを追う過程で、獣の槍を狙う妖怪たちと戦うことになっていきます。妖怪の敵意は、単にうしおが妖怪を滅する道具を持っているから、という理由だけではなく、白面の者を封印する結界を張った女の息子だから、という理由もあるようでした。方々に憎悪されながらも戦っていくうしおの姿は、とても見応えがあり、面白いです。しかしながら、この作品の一番の見どころは各キャラクターの散り際です。とにかく、美しい。悲しいシーンではありますが、必見です。