日本ゴシックメタルの先駆
ゴシックメタルと言えば、Nightwishがその先駆けですが、日本で最も早くそのアティチュードを示したのは妖精帝國であろうと思います。
今でこそBABYMETALが流行し、「アニソンメタル」を名乗るアーティスト、ゴスロリ風の衣装を着るアーティストは溢れています。
その実、なんとなくゴスロリっぽい服を着て、なんとなく激しめの音楽をやって「私たちってメタルだよね」と確認しあう稚拙さを持ったアイドル声優さんが多いように見受けられます。
メタルとは、反体制、リベラルであり、孤独であり、声を上げることであり、闘争です。
社会性と密接に関わり、それに対して強く訴えて来た人々の音楽こそメタルであり、妖精帝國はボーカルの声や、コンセプトでかなりの不利がありながらも、そのアティチュードを理解し体現している点において後追いのアーティストとは一線を画しています。
Gothic Lolitaと冠されたアルバムでは打ち込みが散見されますが、すでにゴスとしての信条が確立されています。また、「PAX VESANIA」を転換点としてバンド体制での演奏を重視しており音も重く広がりのあるものになっています。
アニソンタイアップも多く、敷居は低いながら演奏、作曲ともに高い技術力を伴っているため曲単体でも楽しめる魅力があり、かつまた詞にも作品に対する造詣の深さが現れています。