人間失格 太宰治と3人の女たち

人間失格 太宰治と3人の女たち

『人間失格 太宰治と3人の女たち』(にんげんしっかく だざいおさむとさんにんのおんなたち)とは、2019年公開の日本映画。監督は本作が長編映画4作目となる蜷川実花、主演は小栗旬が務めた。実在の小説家・太宰治が死の直前に発表し、自身の遺作となった『人間失格』の誕生秘話を、太宰と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実を元にしたフィクションとして映画化した作品。エロティシズムを押し出していることもあり、公開に際してはR15+指定がなされた。
多くの女性と浮き名を流し、自殺未遂を繰り返した、日本が誇る天才小説家・太宰治。その破天荒、かつ自堕落な私生活は文壇から疎まれていたが、彼は一方でベストセラーを連発して人気作家となっていった。そんな太宰は、妻子がいながらも同時に2人の愛人とも関係を続けていく。それでも彼の才能を信じる妻から強く支えられる太宰は、その言葉の数々によって名著『人間失格』の執筆へと駆り立てられていくのであった。

ekinanのレビュー・評価・感想

人間失格 太宰治と3人の女たち
7

太宰治像を新たな切り口で描いた映画

「人間失格」を読んだことがない人、太宰治をよく知らない人にも観てほしい映画です。私にとって太宰治は、「自殺未遂ばっかり起こして精神的にも病んだ暗い人」のイメージでした。ただこの映画では、太宰治が作家として成功する中で、妻子がいるにも関わらず浮気を繰り返すし、その場しのぎで女性が言って欲しい言葉を言ってしまうという、ダメ男ぶりがコミカル要素もありながら描かれており、「あ~こういう男いるよな」と太宰治を身近に感じることができるのではないかと思います。
周りを固める女優陣は宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ、と3人ともハイレベルで、それぞれの女性が抱える苦悩や太宰への愛情が、観ている方が苦しくなるような圧巻の演技です。特に、二階堂ふみは体を張っています。ラブシーンも濃厚、太宰に執着していく女の狂気じみたメンヘラ化がすさまじいです。ドラマ・漫画で話題になった「凪のお暇」のゴンさんが「メンヘラ製造機」と表現されていますが、まさに太宰治もこの種の男性なのではないかと。
蜷川実花監督作品らしく、花が舞ったりカラフルな演出はありますが、派手すぎる印象はなく、作品の「陰と陽」をうまく表現されているなと感じました。