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中高生には特にオススメ
同じ「働く女の子」シリーズの『SHIROBAKO』や『サクラクエスト』と違い、本作は女子高生が主人公ということもあってお仕事半分、青春半分という感じだ。
本作の魅力はたくさんあるが、何より思春期の青少年が抱えていて、でもなぜか言葉にはできない感慨を見事に表現している演出方針がいい。各場面の端々に現れる情景や、登場人物から発せられるセリフに共感を抱くこともとても多かった。
次にキャラについてだが、現実的に考えればかなり人間としてダメで嫌われるようなタイプのキャラが本作には多く登場する。しかしなぜか誰も嫌いにはなれない。むしろ「人間らしいな」と好感を覚えることすらあり、マイナスな点さえも好印象に変えてしまうキャラの魅せ方は見事だと言う他ない。個人的にはみんちがとても好き。
最後に音楽についてだが、本作ではnano.RIPEがオープニング曲や挿入歌を担当している。爽やかながらもなんとなく切なさが残るようなメロディと歌詞はもはや『花咲くいろは』の世界観そのものを象徴しており、素晴らしい。
中高生に特にオススメと言ったが大人になっても十分に楽しめる作品だと思う。話数も26話+劇場版と、見応えもばっちりなので、がっつりした青春群像劇を求めている人はぜひ見てほしい。