人ではなくなった妹を救う為に。
社会現象を起こしたということもあって作品としての完成度が高いです。
主人公の竈門炭治郎は誰にでも優しく、熱く、ストーリーを追う毎にどんどん感情移入していくと思います。
本作の登場人物の大多数は『鬼』を憎み、敵視していますが、彼だけは鬼に対しても「慈悲の心」があり、平和的な考えを持っています。
しかしそんな彼でも妹の竈門禰豆子を傷つけようとする者は決して許しません。そのような愛するものを守り抜く考えや決心が堅い所が主人公としてとても魅力的です。
本作の敵役である『鬼』という存在は元々は人間であり、敵対しつつも、「人間味の残る魅力的な鬼」に対する主人公や仲間達のジレンマや葛藤といったものも面白いです。
ストーリーは少年漫画ということを考えると少し刺激は強いと思います。ですがただショッキングであるという訳ではなく、鬼も含めた登場人物の哀しみや感情の描き方の部分がとても繊細に描かれている作品だと感じました。
時代設定が大正になってる点や、少年漫画的な展開がちょっとという人には向いていないかもしれません。
熱いヒューマンドラマの中に垣間見える主人公たちの日常に時に笑ったり、時に泣いたりと、「友情、努力、勝利」上手く描かれている作品であると思います。