この作品の魅力は”意外な結末”
オープニングのインパクトがすごい。高速道路で大勢のダンサーたちが楽しそうに踊るシーンは、見ているだけでテンションが上がる。ストーリー自体は、自分のジャズバーを開くことを夢見るセブと大女優を夢見るミアとのラブストーリーで、二人の関係性が「春・夏・秋・冬」のシーンとともに移り変わっていく様子が描かれている。前半の「春・夏」のシーンでは、ダンスシーンが多めで、テンポよくストーリーが進んでいく。話の展開が早い気もするが、私自身、踊ることが好きなので、ダンスシーンの多い前半部分は気に入っている。見ていると、自分も一緒に踊っている気分になって気持ちがいい。じっくりストーリーを見るというよりは、ダンスや歌のシーンを楽しみながら見るのがおすすめ。後半の「秋・冬」のストーリーは、前半とはガラッと変わり、ダンスや歌は少なめで、セブとミアの関係性の変化が重点的に描かれている。成し遂げたい夢をなかなか思うように実現できず葛藤するセブとミアの姿は、今までに一度でも何か夢を追いかけた経験がある人ならば、きっと強く共感できるだろう。また、二人がそれぞれの夢を叶えるために別れの道を選び、数年後、二人が再開するシーンは、夢を優先させることで結ばれなかった二人の愛が切なく描かれている。意外にもハッピーエンドではないこのシーンは、夢を追いかける人に向けて、本当に大切なものは何かを訴えかけているように感じた。