「感動」だけではない
この作品は、漫画で発表され、のちにアニメ化、実写映画化された作品で、今までに非常に多くの人に愛され、多くの人の心を揺さぶってきた作品です。この作品の素晴らしい点は、高校生の青春群像ドラマとして、恋愛・友情・家族愛などが織り交ぜられているだけでなく、クラシック音楽の魅力を与える作品であることです。私は主にロックバンドやポップスをメインで聞いて育ってきており、クラシックはおしゃれだけど眠くなってしまうため、あまり聞いてこない生活をしてきましたが、この作品を見て、すっかりクラシック音楽への見方が変わりました。主人公の心境に合わせた選曲、ピアニスト・バイオリニストの日々考えていること、見えない努力、登悩みや葛藤などヒューマンドラマではない点でも、どんどん引き込まれていく作品です。また作品の最終回に明かされるある事柄により、「もう一度作品を最初から見直したい」と思わせる仕掛けが隠されていることも秀逸で後世に残る作品だと思う所以です。この作品は、万人にお勧めできる作品だと思います。
学生物を見たい、感動する作品を見たいなどの方にはもちろん、現在挫折をし動けなくなっている、夢を諦めそれを恥じている人にも、心を包み込んでくれる非常に素敵な作品です。ぜひ機会があればご鑑賞ください。