どんな方にもお勧めとは言えませんが…
まずは井上雄彦ワールドが好きな方であれば、各巻の表紙を見れば、読まずにはいられないほど、井上雄彦先生の魂の込め具合がビシビシ伝わってくるのではないかと思います。作品の内容といたしましては歴史上の人物で有名な「宮本武蔵」の幼少期を含む物語です。
「武蔵」についての作品はこれまでに他作者の方が執筆されていますが、要所のポイントは押さえつつもバガボンドは井上雄彦オリジナルの物である内容です。
結果を先にお伝えしてしまうと「圧倒的」です。
テーマは自分が推測するに「人間」です、武蔵といえば剣豪・佐々木小次郎との対決が有名ですが、本作品は武蔵を通じて、人の弱さや醜さ、反面、優しさ等を圧倒的な画力で表現している作品です。セリフは余り多くなく、「絵」で武蔵の心情を表現している箇所が多く、気が付けば目が離せなくなる程のスケール・熱量が伝わります。
ストーリーの主人公が有名人ですので、正直「宮本武蔵」と聞いただけでほぼ「あ~あれね、昔の剣豪ね」でネタバレしちゃってます(笑)。
しかしバガボンド=井上雄彦の本当の楽しさはストーリもさることながら、圧倒的な画力からつたわります。
何度で読んでも(観ても)毎回新たな発見がある楽しい作品です。