ジャズファンなら小ネタにクスっとするのでは…ラストは意外でした
冒頭の色鮮やかなシーンとリズミカルな音楽で一気に引きこまれました。
何といってもこの映画は音楽が秀逸だと思います。ジャズファンとしては、随所にちりばめられたジャズ的小ネタにもワクワク(セブが弾くモンクの「荒城の月」とか!)。他にもさまざまな映画のオマージュがあり、ストーリ―以外も楽しむことができます。
「セッション」を撮影した監督、という先入観があるからかもしれませんが、やや玄人向けというかマニアックというか…。当初、ミュージカル仕立てのラブストーリーかと思っていましたが、見事に予想を裏切られました。
2人のダンスシーンやプラネタリウムでの夢のようなシーンは言わずもがな、日常のちょっとした風景の切り取り方など、ふとした瞬間の演出が美しいと思います。
ただ、人によっては古臭いというか無粋な感じがするのかもしれませんね。
古き良き少女漫画を読んで育った世代としては、あの頃のトキメキを思い出す感覚を覚えました。
主人公たちが葛藤や挫折のなか夢を追う姿は良かったのですが、正直贅沢というか、素直にその葛藤に共感できない部分もありました。
ラストの終わり方には驚きました。
ちょっと皮肉っぽい、ただ甘いラブロマンスではない映画ですね。