どの世代にも心に響く家族愛
アニメ化を皮切りに大きな注目を集める鬼滅の刃
。今までアニメや漫画に興味がなかった人がハマる大きな要因の1つは、誰もが共感できる兄弟愛・家族愛にあるだろう。
主人公の竈門炭治郎が鬼になってしまった禰󠄀豆子を人間に戻すために鬼殺隊として戦うというストーリー。
炭治郎と禰󠄀豆子の強い兄弟の絆は勿論だが、登場人物一人一人が大きな想いを背負って戦っている。
特に印象深かったのは鬼殺隊の頂点・柱の1人である不死川実弥と炭治郎の同期の1人・不死川玄弥の兄弟愛だ。
実弥と玄弥が幼い頃、母親が鬼になってしまい、他の兄妹全員が食い殺されてしまった。実弥は唯一生き残った玄弥を助けるために鬼となった母親を自らの手にかける。
実弥はこの事件以来故郷を離れ、鬼を全滅させるために鬼殺隊として戦うようになった。弟玄弥は自分を助けた兄に向かって「人殺し」と叫んでしまったことを何年も後悔し、自分も兄を追って鬼殺隊に入る。
兄である実弥は弟が鬼殺隊に入ったことをよく思っておらず、やっと再会を果たしたときにも「俺に弟なんていない」と冷たく突き放す。
しかし物語終盤の無限城での戦いでは鬼と戦い殺されかける弟玄弥のもとに兄実弥が駆けつけ、代わりに鬼を征伐する。
鬼から受けた致命的な攻撃により弟は死んでしまうが、死ぬ間際に兄実弥に向かい告げる一言が涙なしで読むことはできない。
大切なものを守るために自分を犠牲にしても戦い続ける実弥と、兄には幸せになってほしいと背中を追い続ける弟のストーリーにもぜひ注目して読んでいただきたい。