スピッツの透明感は廃れない
1987年の結成以来30年の時を経ても変わらぬ幼さと透明感が非常に惹かれる所以でしょう。最も代表的な曲に「ロビンソン」や「チェリー」、「空も飛べるはず」などの初期の曲がよく挙げられます。彼らの曲はドラマの主題歌として使われるというよりかは、テレビCMにさらりと採用されることがよくあります。そしてCMとの自然な溶け込み具合は耳に非常に心地よいです。
一見透明感があり、「なんと繊細な歌声か」と思って聞いていたら、実は力強くどこまでも響くような声だということに気づきます。彼らはロックの人達なんだということに気づかされます。ボーカルの草野さんの声も力強いですが、その声を支える演奏も非常に力強いものがあります。スピッツの透明感を良い具合に濃いものにしてくれます。
草野マサムネさんが書く歌詞も独特な風味があります。もしかしたら初めてスピッツの歌詞をじっくり見る人には、意味の分からない言葉が並んでいるようにも思えるかも知れません。しかし歌詞の文字をじっくり見てその世界に浸れば、歌詞の意味の深さに気づくことができると思います。スピッツの良さの一つにこの「一見分からない歌詞」があります。聞き手の想像力を試すかのような歌詞は、一度彼らを好きになった人にはたまらない味になります。
不思議な言葉を乗せて歌う透明感のある声。年齢を感じさせない草野さんの独特の声には、老若男女問わず思わずはっとさせられること間違いありません。