死ぬこと、生きることについて改めて考えさせられました
「死役所」という漫画を紹介したいと思います。
この漫画はお役所の話なのですが、市役所の「市」の字が「死」という字になっていますよね。実はこの漫画は死んだ人のための役所の話なのです。まだわからない方も多いと思うので、詳しくストーリーの内容を説明していきたいと思います。
まずこの漫画は基本的には1話完結の話です。しかし各話のなかで必ず人が死にます。やはり人間の死を題材にした漫画なのでそこは仕方ないですが、明るい内容の漫画しか読まない人にはもしかしたら合わないかもしれません。そこをご理解された上で読んでいただけたらと思います。
出てくる人たちの死因は様々です。いじめられて生きているのが嫌になり自殺したり、職場での不慮の事故にあったり、病気に侵されたり、さらには誰かに殺されたりなんかもあります。
この漫画の中では「死役所」というのはそのように亡くなってしまった人たちがまず最初に行く場所という設定になっています。人間は死んだら成仏しなきゃいけないなんて考えられていますが、この死役所は亡くなってしまった人たちの成仏の手続きをする場所という風になっています。
亡くなってしまって死役所に来る人たちも死因は様々なので、ひどい死に方の人も出てきます。一つ紹介させて頂きます。飲食店を経営されている夫婦が出てくるんですが、そのお店は旦那さんのお父さんから継いだ店なんです。お父さんが店主をやっていた時代に店の中で騒ぎを起こして注意された客がその夫婦がお店を継いだ後にまたやってきて旦那さんを刺し殺してしまうんです。その時奥さんのお腹の中には子供がいまして、僕も読んでいてとても悲しい気持ちになりましたね。
この旦那さんはまだまだ家族のために頑張らなければいけないし、やり残したことだってたくさんあるだろう。奥さん一人でやっていけるのだろうか?この旦那さんは亡くなった後役所に来てそんなことを思うわけですが、僕もおんなじことを思ってしまいました。
それでまぁこの漫画のおもしろいところは、その役所で働いている職員の過去も出てくるんです。ネタバレになってしまいますが、職員には死刑になって亡くなった人しか職員になれないんです。自業自得で死刑になった人もいますが、冤罪や大切な人を守ろうとして死刑になったなんて人もいます。特に大切な人を守って死刑になってしまった人なんか見ていると、自分がもしそのような状況になったときを想像してしまいましたね。大切な人が殺されそうになっている状況に陥って、冷静でいられるのだろうか?もしかしたら万が一のこともしてしまうんじゃないか?そんなことを考えさせられてしまいました。
というような感じで内容自体は結構シリアスな内容になっています。比較的大人向けの漫画ですね。でもとても考えさせられるし人生を見つめなおすきっかけに僕はなりました。とてもいい漫画です。ぜひ読んでみてください。