ギャングスターへの道
イタリアのネアポリスに住む「ジョルノ・ジョバァーナ」はギャングスターになるべくあるギャング組織、「パッショーネ」に入団し「ブチャラティ」を初めとする仲間たちと信頼を築く。そしてそこのボスを倒し、組織を乗っ取るという野望を叶える物語である。
ジョルノ達仲間は組織をのし上がっていく過程で「トリッシュ・ウナ」というボスの娘を護衛せよという司令を言い渡され、そこから物語は加速する。ボスの娘を狙っている暗殺チームからジョルノ達は狙われ攻撃されるもトリッシュを守りきって見せた。しかしボスがトリッシュを護衛させる理由は
娘を守るではなく、自分で確実に始末するためだったことを知ったブチャラティは組織を裏切りボスを倒すと決意する。ここで組織をのし上がっていくという形から本格的に組織を乗っ取る戦いが始まる。組織の精鋭がジョルノ達を襲い仲間たちは次々と倒れていくが、ジョルノは最後の最後でボスである「ディアボロ」を倒し晴れてパッショーネのボスになりギャングスターの夢を叶えた。
と大まかな物語の構図である。この5部は3部から始まった「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる精神を具現化した超能力者同士のバトル漫画である。例えば主人公であるジョルノは「ゴールドエクスペリエンス」という物体に生命を与えるスタンド能力を有している。この能力は色々な応用方法があり、旅行者のキャリーケースをカエルに変えて盗んだり地面叩き木を生み出し高いところに登るといった多様な方法がある。物語中盤で体の部品を作るという応用技を覚えて以降、チームのヒーラー的ポジションにもなり非常に優秀な能力である。ボスとの最終決戦では「スタンドの矢」の真の能力により「スタンド」は「レクイエム」に進化してボスを倒した。能力は動作や意志をゼロに戻すという能力。これによりボスである「ディアボロ」の時飛ばしや未来を見る能力も最初から無かったことにされ敗北。しかもその死すらレクイエムの能力により無かったことにされるため永遠に死に続けるという無敵の能力である。
他にも強く、面白い能力のスタンドやキャラがいるのでぜひ読んで見てほしい。それにこの5部は他の部と違い単品で読んでもソコソコ内容が分かるということが読みやすい1つの理由である。ほかの部は前作の掘り下げや大人になった姿も出てきて前の話をわかっている前提で物語が進むため初心者は最初から読まないと内容が分からない点が幾つもある。しかしこの第5部はほかの部と違いほぼ独立した物語であるため5部だけ読んでも内容は理解出来る(それでも前作のキャラや設定が出てこない訳では無いため前作を読んでいた方が内容は理解出来る)。
自分が1番読んでいて面白かった話はまだトリッシュを護衛していて暗殺チームの1人、「ギアッチョ」と戦っている場面である。一瞬で物や人を凍らせることができる能力でありシンプルながら強い能力である。しかしこれを仲間である「グイード・ミスタ」と協力し倒す。ギアッチョの破天荒な性格、ミスタの覚悟、ジョルノの無駄無駄ラッシュなど戦闘や口上もかっこいいためおすすめの回である。
本来は10点をあげたいところではあるが最終決戦であるディアボロとの戦いがいまいち初見では理解できない戦闘であったため少しマイナス点をつけた。それまでの話や戦闘が面白く白熱していた分最終決戦が普通だったため少し締りの悪い展開となってしまったため8点とした。