言葉選びが面白い作品です。
絵はかなり人を選ぶと思います。今どきの漫画と比較するとかなり線が太いかと。絵に抵抗ない方は読めると思います。
内容はよくある鬼と家族を失った少年の話で新しくもないのですが、それを新鮮なものに感じるのは、作者の言葉選びのセンスだと思います。
冒頭が、「なぜこんなことになったのか」という主人公の少年の問いかけから始まります。
主人公の家族は1話で妹を残し他界してしまうのですが、主人公の長男というひとつのワードが、彼のキャラクターを濃いものにしていきます。ファンの間で「長男力」と言われる程にこの長男力がすごい主人公。どんな苦境にいても長男だからという理由だけで生き残ってるのではないかという程です。
その他のキャラクターも各々面白い言葉を発します。物語自体は目新しくない、作風的に、絵柄も物語も一昔前のような作品なのに、どのキャラクターも本当にイキイキと誌面上で動いているので、新しく感じ、人気が出た作品だと思います。特に主人公の妹は、1話以降セリフが1度もありません。話せないからです。
ですが、この妹の表情だけで感情が読み取れるほどに表情の描き分けが上手いです。とても面白くオススメです。