若さがありエネルギーに満ち溢れた映画
最初から最後までずっと新開監督の世界観に引き込まれっぱなしでした。
二人の人格が入れ替わるという設定はよくある話なのですが、年が違っていたり、田舎と都会で相対する境遇の二人を上手く1つの世界に溶け込ませているので二人の距離が近くなったり遠くなったりするハラハラドキドキが非常に見ている人を楽しませました。正反対の二人をつないでいるものが切れた時、主人公が必死に助ける姿は同世代の人たちの心を動かすものがあったと思います、また上の世代の人たちも若い頃を思い出し今を生きようとするエネルギーに満ち溢れたこの作品で一瞬一瞬を大切に生きようと思うような気がしました。
この作品を通して大勢の人が感動した事は間違いないですが、新開ワールドはストーリーもさることながら背景や人物の描写がすごく美しいので見た人はその部分でも楽しめたと思います。都会的な描写でいうと、満員電車だったり、おしゃれなカフェだったり整備された街並みは相対する田舎とのギャップを上手く表現していると思います。1日に数本しか電車が来なかったり、コンビニが夜しまったら、山に囲まれた田舎独特の空気は、田舎で育った人の共感を特に得ていると思います。また、都会に住んでいる人は田舎ののんびりした空気を羨ましいと感じることもあったと思います。
そんな対比を見事に描写しており、万人受けする作品になっていると感じました。