綺麗にまとまった良作
遠く離れた男女の精神の入れ替わりを描いたアニメ作品。
序盤は主人公二人の立花瀧と、宮水三葉の入れ替わりによって起こるドタバタを楽しく描写していてコメディとしても楽しめる。
特に男女の身体の違いの戸惑いの下りはありがちだが笑えるものだった。
その後二人は入れ替わりを通して、親睦を深めて(恋愛感情も芽生えていく)いくのだが旧に入れ替わりが起こらなくなり、展開が変わっていく。
この時の展開の変化は、二人の入れ替わりを好意的に感じてきていたので、かなりの驚きと次の状況への興味を引かせている。
それからは二人の入れ替わりには時間のズレが有り、さらには三葉の暮らしていた糸守町は三年前に隕石の衝突で消滅していたという事実が明らかになる。
そして物語は再び三葉の身体に入れ替わった瀧が、隕石から町を守るために友人たちと奮闘してく話になっていく。
ここでの避難作戦は、青春映画として上手く描写されていて感情移入して観ることができた。
しかし最終的に避難が成功したかどうかはっきりとは描写されず、8年後に時間が飛ぶ。
見る限り避難は成功したようであり、ホッとさせるが二人の入れ替わりも既にもう消滅している。
ここで予想できるといえばできるのだが、8年後の瀧と三葉が町中で偶然出会い、お互い名前を尋ねるという王道のラストへとつながる。
再会した後の二人は…と余韻を残した終わり方だが、それを描くのは蛇足だろう。あそこで終わるのが爽やかでいい印象だった。