天使なんかじゃない / 天ない

天使なんかじゃない / 天ない

『天使なんかじゃない』とは、漫画家矢沢あいによる少女漫画である。『リボン』(集英社)という雑誌において約3年連載されていた。この漫画は、創立されたばかりの新しい高校の生徒会を舞台にして、生徒会役員に選ばれた高校生たちの学園生活や友情、恋愛模様を描いた作品となっている。主人公の冴島みどりは、キャラクターの設定として、ポジティブ元気な行動力のある女の子。読者の中には、まさに理想の高校生の姿としてとらえられ、人気が高い。彼女は、絵の才能があり、自ら美術部を発足させるなど、行動力もある。須藤晃と恋人同士で、彼らのやりとりがティーンエイジャーだけでなく、大人の女性にも、幸せ感や切なさなど、恋愛におけるあらゆる感情を湧きおこさせ、ファンからは、ストーリーの展開に対する支持も強い。この作品は、漫画家である矢沢あいの出世作で、小説家もされている。聖ヶ丘という町が作品の舞台となっていて、ファンにとっては「聖地」となっている場所である。須藤ザウルスという須藤晃をモチーフにした、マスコットキャラクターも人気を博した。

hijiki0422のレビュー・評価・感想

天使なんかじゃない / 天ない
10

何度読んでも泣く

これ以上の少女漫画には出会えないと思ってる。
主人公は元気いっぱい天真爛漫の高校生・翠。恋や友情、進路に悩み、傷つき、それでもいつも明るく笑顔を絶やさない彼女は健気で、時々痛々しくなるくらいだ。印象的な場面はいくらでもあげられるが、一つ上げるとすれば、彼女との関係が曖昧なまま海外へ飛び立ってしまった恋人・晃からの電話のシーン。その前のシーンで、晃への思いがこみ上げてしまい、後輩や友人たちの前で涙をながしてしまう彼女。気を使わせまいと先に帰ると家の電話が鳴るのだ。正直、その泣いてしまった所から私も泣いている。もうやめて、晃。翠が限界だよ、と。そのタイミングで鳴る電話が晃からだった時の衝撃と安堵。良かった、これで翠がまた笑ってくれる。と翠以上に涙腺崩壊してしまう。泣きすぎてページが進まず、いつもそこで一旦休憩を入れるハメになる。矢沢先生に、泣き殺されてしまうのではないかと思えるくらい。また、彼女を取り巻く周りのキャラもそれぞれ愛すべき人物ばかり。名言と呼ばれるセリフが数多くあるのも、主人公以外のキャラにファンが多いのもこの漫画の特徴ではないだろうか。大人になった今でも、何度でも読み返したくなる。そして、また号泣する。