人は1人では変われない。
喧嘩っ早くて横暴な白人トニーと、音楽家として成功を収めた孤独な黒人のドク。ドクのアメリカ南部へのコンサートツアーのドライバーとして雇われることになったトニー。8ヶ月もの間アメリカを渡る中で、2人の人間性に徐々に変化が訪れる。笑いあり涙ありの実話を元にした物語。
最初は黒人と白人。雇い主と雇われる者という関係性のため「最強の2人」に似た内容だと思っていました。しかし、なんといってもドクとトニーのキャラクターが絶妙で、真新しさすら感じる映画でした。ありそうで今までなかった2人の関係性。かといって2人のキャラクターが大きくデコボコしている訳ではなく良いバランスでとても内容に入り込みやかったです。これも実話を元にしたからこそなせる技なのかと感じました。
物語の内容も笑えるところは思い切り笑え、心温まるシーンも黒人差別について考えさせられる場面もあります。特に世間から黒人だからという理由で差別を受けるドクの振る舞いには、人種差別にはあまり縁のない日本人にも心に刺さる部分があるのではないでしょうか。
この映画を見た僕の率直な感想は、人は1人では変われないということ。つまり2人でなら変われるということ。変わりたくても変われない人。今のままの自分に半ば諦め混じりの満足をしている人。是非オススメしたいです。きっと見終わった後誰かに会いたくなるでしょう。