男はつらいよ

男はつらいよ

『男はつらいよ』とは、山田洋次監督(一部作品除く)の映画シリーズおよびテレビドラマである。主演は渥美清。原作・脚本も山田洋二監督が手掛けている。
舞台は東京の葛飾柴又。帝釈天のそばにある「とらや」という団子屋の主人の甥で、テキ屋で旅回りをしている車寅次郎が主人公。主人公の妹のさくらは将来がさだまらない寅次郎を心配している。しかし少々非常識ではあるがロマンチストな寅次郎は旅先で好き放題しており、美しいヒロインに恋をして失恋をしては葛飾柴又に帰ってくる、というのがシリーズを通した基本的なストーリーである。
世界にも類を見ない全50作品の長寿シリーズであり、パロディやオマージュ作品を数多く生み出している。
原作者による主人公の幼少期を描いたスピンオフ小説『悪童 小説 寅次郎の告白』もまたテレビドラマ化された。渥美清の没後2年である1998年にはテレビアニメ『アニメ 男はつらいよ〜寅次郎忘れな草〜』が放送された。

kyousigaのレビュー・評価・感想

男はつらいよ
7

寅さんから学べること

現在20代の自分ですが、1960年代に作られた本作品は十分に楽しむことができました。『男はつらいよ』について多くの人は何となく構成はご存知なのではないでしょうか。

シリーズもので、寅さんという明るそうなおじさんが出てきて、恋をして、失恋をして、旅に出る、この繰り返し。
内容はまさにその通りで、寅さんが旅から東京、柴又の親戚の居候先へ帰ってくるところから始まり、そこから出て行き、また旅に出るシーンがお決まりのパターンです。

寅さんは生粋の渡世人で、旅する各地で周りをしっちゃかめっちゃかにします。他人のお金で宴会をひらいたり、すぐ喧嘩を始めたり。
しかし、彼は自分なりにしっかりそれらの埋め合わせをします。ある時には物事を頼まれれば一生懸命にこなそうとし、また別の時には困っている人の将来のため奮闘して手助けすることもあります。
1番の見所はまさにこのあたりで、寅さんの周りの人たちは彼に助けられつつ進路を進めたり幸せになっていくのですが、当の主人公寅さんだけは彼が望むようなかたちで幸せになれないのです。
それに気付くと、ああ、だから題名につらいって言葉が入ってるんだな、そりゃつらいよな...としみじみなるところに深く共感と感動できるものがあります。
それと、寅さんは一見破天荒な人間なのですが、映画を観る人からも、作中の人物からも、みんなに慕われています。
なんでそうなのかと考えつつみてみるとまた面白いと思います。
第一作目は、特にそういった部分がわかりやすくみえると思うので、是非ご覧になってみてください。