子供・大人、勝者・敗者、どんな目線からでも楽しめます!
スポーツ漫画で、ここまでしっかりと楽しめる内容の漫画に出会ったのは初めてでした。主人公の成長に関しては、言わずもがなしっかりと描かれていますが、先輩たちの葛藤や想い、同級生たち個々の、行動した先の結果など、同じ学校のメンバーだけでも一人ひとりの物語がしっかりと存在しています。他校の生徒たちも、ただ試合をするだけではなく、なんで因縁があるのか、なぜ良きライバルになっていったのか、イラスト、言葉で伝わってくる物語に自分が学生だったころ若しくは、学生の人たちには、当事者としてのリンクする気持ちなどで楽しめるとおもいます。
また、生徒たちだけではなく、監督やコーチにOBまで関わりあった人たちの言葉や想いが大人になった読者たちの記憶を刺激してくれるともおもいます。試合で敗者になってしまったチームにスポットを当て“ただ負けたチーム”ではなく、負けたチームも努力をしていたんだと、負けてしまったけど好きなんだバレーボールが。そう伝わってきたシーンでは、自分のことを思い出して涙ぐんでしまいました。コーチだって人間で、コーチをしている理由に個人的な気持ちだって入るし、応援団にだってプライドがある。兄弟が心配になる理由も、家族だから知っていることがある。そんな、小さくても一人の人間が成長していく時に訪れるであろう事が物語の様々な箇所に描かれています。着々と力をつけていく主人公たちを見守りながら、自分とリンクする人の物語も楽しめる漫画です!