SFラブストーリー
2018年、アカデミー賞を受賞した本作。ある程度予告を見ていき、勝手にE.Tのような異星人と地球人の友情物語とばかり思っていました。しかし、映画を見続けてみると、地球に存在した未知の生物と人間の恋愛物語。しかもR15なだけあって、グロイ描写や刺激的なシーンが多々でてきます。予想外でした。
私が好きなのは主人公の女性の意外な行動力です。研究施設の清掃員として勤める彼女は声を失っており、少し臆病な性格に見えます。しかし未知の生物に惹かれ守るために奮闘する中で、上司(敵)に分からないように手話で捨て台詞を吐いたり、友人に必死に助けるように迫ったりと、実は肝が据わっていたり、意志が強い女性だと分かります。声が出ず手話で伝えるからこそ、未知の生物と分かりあえたりして、段々と2人が仲良くなるところも素敵です。特にバスルームを水いっぱいにして泳ぐシーンは、その大胆さに驚くとともにとても綺麗な印象を受けました。
でてくるシーンは薄暗い研究施設であったり、寂れた映画館であったり、古い部屋だったりと暗くて薄汚いイメージをもちます。しかし、それがあるからこそ、未知の生物の体や、女性の赤いコート色、水の色がとても綺麗にうつりました。どこかクラシカルな雰囲気も好きでした。