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不思議な運で家族をもう一度結びつける。
あるクリスマスの夜、捨てられている赤ん坊を3人のホームレスが拾うことから物語は始まります。おじさんのギンちゃん、オカマのハナちゃん、家出少女のミユキの不思議な3人組は、拾った赤ちゃんを「きよこ」と名付けます。
夜が明けてきよこを捨てた親を探して東京中を放浪する中で様々な事件が起こります。
事件を通して、3人がホームレスになった理由とか、家族との再会が描かれていて、ものすごいバランスで人々がつながりあっているんです。
ホームレスをしている間はお互いに自分の過去とかを話してこなかったのに、とても信頼しているように見えて、人は新しい絆も作っていけるんだなと思います。
ギンちゃんなんて、仲間にすらホームレスになった理由を自分に都合の良い嘘でキレイな話にしていた。それがわかっても、どうしても憎めない。幸せになってほしいと、心から思う。もちろん、ギンちゃんだけじゃなくて、ハナちゃんやミユキにも幸せになって欲しい。
きよこが捨てられた経緯とか本当の親の元に帰れるまでが、奇跡的な出来事で紡がれています。きよこが本当に不思議な力を持っているんじゃないかと思えるほど自然に。
ホームレスと赤ちゃんが家族の元へ戻っていく再生を描かれているけど、ただの暖かい話じゃない。人間の情けない自己満足とかエゴとかも描かれている面白い作品です。
最後はハッピーエンドなんだけどね。