舟を編む

舟を編む

『舟を編む』は三浦しをんによる出版社の辞書編集部を舞台にしたヒューマン小説。女性ファッション雑誌『CLASSY.』に連載され、2011年に光文社から単行本が発行された。2012年には本屋大賞を受賞している。2013年には松田龍平主演で映画化、2016年にテレビアニメ化された。「玄武書房」に勤める馬締光也は、新しく刊行される辞書『大渡海』の編集メンバーとして辞書編集部に異動となる。辞書制作のために集まった個性の強い編纂者たちが奥深い辞書の世界にのめり込み、言葉に向き合う物語。

post285289のレビュー・評価・感想

舟を編む
6

あまり盛り上がりはないけれど

辞書を作る過程がわかって興味深い。あまり盛り上がりはない気がするけれど、それはそれで落ち着いて観ていられていいと思う。
松田龍平さんの映画は初めてだったけど、他の作品も観てみたいと思った。宮﨑あおいさんの役は彼女の良さがあまり感じられなかった。他の女優さんでも良かったというか、せっかく彼女を使うのならもう少し存在感のある役でないともったいない気がした。オダギリジョーさんはいい味が出ていたと思う。最初はちょっとチャラい感じを受けたが、話が進むに連れて、だけじゃない人なんだと感じられた。池脇千鶴さんは、主役も脇役もこなせる、そして存在感もあるすてきな女優さんだと思った。八千草薫さんは、もう本当に素敵です。品があり物腰ひとつひとつがため息が出るほど。ほかのベテランの出演者の方々の演技も素晴らしく、作品に深みを与えていたと思う。

辞書って難しい言葉とかわからない言葉を調べるという役割だけれど、当たり前のように使っている言葉も載せなきゃいけないんだなと思った。「右」という言葉を説明しろって言われても答えられないですよね、普通。それを説明できるのも辞書なんだな妙に感心した。個人的に一番好きなのは早雲荘。古い下宿屋の風情がたまらなく好きでした。