ゲーム版ドラクエをベースに名台詞、名場面沢山!の少年漫画
週刊少年ジャンプで全37巻の長期連載漫画。怪物島に住む少年ダイが、魔王を倒した勇者アバンの死後、ポップと共に大魔王バーンを倒す為旅立つストーリー。ゲームドラクエをベースにしている為大まかな世界観や呪文の一部はゲームに沿っていますが、オリジナル要素が強く未プレイでも全く問題ありません。
魔法使いポップの成長が、読んでいてとても共感できる所が満載です。特に序盤はダイを見捨てて逃げてしまったり情けない事極まりないけれども、強がりや自信のある事を言っていててもいざとなると及び腰になってしまう所に共感が持てます。けれど、クロコダイン戦で強敵に立ち向かえないポップはまぞっほから叱咤を受け、立ち上がってからどんどん成長していきます。ダイの父親バラン戦では、仲間を見捨てる演技をしてまでダイの為にたった一人で立ち向かったり、バランには自己犠牲呪文メガンテを唱え命を懸けてダイを護ります。最後まで共に戦う最高の親友ポップ(ダイとポップの友情)はこの作品の一番の見所でしょう。
主役のダイも人間ではない故に様々な悩みに直面したり(その為か少年と言うよりすっかり悟ってしまいましたが)壮絶な戦いや試練にぶち当たりますが、それでもダイの大きな魅力はアバンのしるしで表されている通り純粋なんでしょうね。彼は絶対人を差別せず悪く言わないのでこの作品のオアシスでもあります。またそんなダイでも魔王バーンへの恐怖と勇者としての重責から逃れようとする弱い一面もしっかり描かれていて泣けます。
アバン先生が生き返った事は賛否両論ですが、やはり導き手が居たからこそのラストバトルだとも思うし、ダイ達アバンの使徒が先生に再会できて良かったなぁと思います。
目立った中だるみもなくちゃんとバーンを倒して最終回を迎えた事はいいのですが、最終回はダイが戻ってきて終わりが良かったです。
クロコダインが雑魚扱いになってしまったのが残念です…。
絵は長期連載の為どうしても変わってしまうのですが、最終決戦が特に全体に肉付きが良くなってしまったけれど個人的に中盤が一番好きな絵柄です。
アバンの書の文章は名台詞で勇気づけられます。沢山の名台詞・名場面があるので巻数は多いですが一気に読めると思います。おすすめです。