ライフ・イズ・ビューティフル / La vita è bella / Life Is Beautiful

ライフ・イズ・ビューティフル / La vita è bella / Life Is Beautiful

『ライフ・イズ・ビューティフル』(原題:La vita è bella)とは、1997年に公開されたイタリアの映画作品である。ロベルト・ベニーニ(Roberto Benigni)が監督、脚本、主演を務め、第二次世界大戦下のナチス・ドイツによるユダヤ人迫害(ホロコースト)を、ユダヤ系イタリア人親子の視点から描いたドラマ映画である。第51回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞したほか、第71回アカデミー賞において主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞(現・国際長編映画賞)の3部門を受賞するなど、世界的に高い評価を獲得した。
物語は1939年の北イタリアを舞台に始まる。陽気なユダヤ系青年グイド・オレフィチェが小学校教師のドーラと恋に落ち、息子のジョズエ・オレフィチェをもうけて幸せに暮らす姿を描く。しかし戦況の悪化とともに迫害が激化し、一家は強制収容所へと送られてしまう。グイドは絶望的な状況下で幼いジョズエの心を守るため、「これは1000点ためたら本物の戦車がもらえるゲームなんだ」と嘘をつき、ユーモアと愛を駆使して極限状態の恐怖を乗り切ろうと奮闘する。
ホロコーストという重厚な歴史的背景に対し、コメディや寓話的な要素を融合させた表現手法は、悲劇のなかにある人間の尊厳や親子の愛を描いた名作として広く称賛された。一方で、悲惨な歴史的現実を過度に美化しているとの批判や、倫理的な観点からの疑問を呈する声も一部で上がり、議論を呼んだ作品でもある。

soranohuwariのレビュー・評価・感想

ライフ・イズ・ビューティフル / La vita è bella / Life Is Beautiful
10

ユーモア溢れる男が、命をかけて守る愛

戦時中の社会派ヒューマンドラマとして名高い本作は、鑑賞した人を間違いなく魅了し、虜にしてしまう。
時代や年齢性別を問わず、多数の心を惹きつけるのは、本作が愛の物語だからであろう。
ホロコーストを題材として取り扱っている作品の中では、間違いなくトップクラスに明るく、鑑賞後に流す涙が温かい。

舞台は第二次世界大戦の真只中のイタリア。
物語の前半は、本当に戦争が始まるのか?と疑いたくなるほど、ほのぼのとした雰囲気で主人公グイドと妻ドーラの恋模様が描かれる。
本作を観て、恋人に声をかけるとき「今日は、お姫様」と言いたくなった人は多いのではないだろうか。
グイドとドーラが出会い、結婚し、息子ジョズエが生まれるまでは、多少長尺に感じてしまう人もいるだろう。
しかし、このほのぼのとした日常をしっかり表現することが、後半に効いてくるのだ。

後半は、ユダヤ人であるグイド一家が強制収容所に送られ、辛い展開となる。
迫害され、理不尽な扱いを受けるユダヤ人だが、グイドは息子ジョズエに辛い思いをさせないよう、「これはゲームだ」と伝えるのだ。
収容所の中でも機転の利いた言動を繰り広げるグイドのユーモアに、観客は常時クスッと笑わされる。

本作は第二次世界大戦中のユダヤ人の話なのにも関わらず、最初から最後まで、終始明るさを徹底している。
グイド役を演じ、自身で監督も務めたロベルト・ベニーニは、戦争の愚かさや恐ろしさだけでなく、それと同時に愛の素晴らしさ、人生の美しさを見事に表現しきった。

本作をまだ観たことがないという人は、絶対に一度は、是非観てほしい。
映画のエンドロールと共に、様々な感情をすべて含めた温かい涙を流すだろう。