大神

大神

『大神』とは2006年にCAPCOMより発売されたPlayStation 2用アドベンチャーゲーム。
古代日本や昔話をモチーフにした世界観であり、水墨画を思わせるグラフィックが特徴。伝説の大神であるアマテラスが、イッスンら仲間たちと共に妖怪たちと戦い、荒廃した世界を蘇らせていく。第10回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞、2007年度日本ゲーム大賞優秀賞受賞など、高い評価を受けている。

SempreVerdeのレビュー・評価・感想

大神
9

『大神』の魅力的な要素について

『大神』とは、和風テイストと独創的なゲームデザインが特徴のアクションアドベンチャーゲームです。
このゲームは、古代日本の神話や伝承をベースにした美しい世界観が特徴。特にそのグラフィックは、浮世絵や日本画を思わせる手書き風のビジュアルになっており、まるで動くアートをプレイしているかのような感覚を味わえます。

神々の力を宿した白い狼「アマテラス」が、悪しき妖怪から世界を救うという壮大な物語を描いています。プレイヤーはアマテラスを操作し、広大なオープンワールドを探索しながら、敵とのバトルやパズル要素を解決していくことになります。物語の中で登場するキャラクターたちは、神話的でありながら個性豊かで、ユーモアと感動を織り交ぜた物語展開が魅力です。

このゲームの特筆すべき要素として「筆しらべ」と呼ばれる独自のシステムがあります。プレイヤーはゲーム中に、まるで筆で描くように画面に線や図形を描き、その力で敵を倒したり、環境を操作したり、ダンジョンのギミックを解き明かしたりします。このアクションは、単なるボタン操作では得られない直感的なプレイ体験を提供し、プレイヤーに新鮮な驚きを与えます。ゲーム全体を通して「描く」という要素が核になっており、このシステムが物語とゲームプレイを一体化させる重要な役割を果たしています。

さらに、『大神』の音楽は、古典的な和楽器やメロディーをベースにしたもので、ゲームの世界観をさらに引き立てます。穏やかな風景の中を歩くとき、壮大なボス戦の最中など、場面ごとに美しい音楽が流れ、没入感を一層深めてくれます。この音楽とビジュアルの調和が、『大神』の世界に浸る体験をさらに豊かなものにしています。

総じて、『大神』はアクションアドベンチャーの枠を超え、ビジュアル、音楽、ゲームプレイが調和した芸術作品ともいえます。その独自性と完成度の高さから、長く記憶に残るタイトルであり、多くのプレイヤーにプレイする価値があるゲームです。