【推しの子】 / Oshi no Ko

『【推しの子】』とは、2020年21号から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載が開始された、赤坂アカ原作・横槍メンゴ作画の青年漫画である。コミックスは8巻まで刊行され、2022年3月までに累計発行部数300万部を超えた。
物語は主人公星野愛久愛海(ほしのあくあまりん)と双子の星野瑠美衣(ほしのるびい)が、厳しい芸能界で俳優やアイドルとして生き抜いていく様を描いている。リアルな芸能界の描写が特徴で、サスペンス要素も多くある。また2人には前世の記憶があり、転生ものの漫画でもある。
推しとは自分が応援している人を意味し、前世で推しだったアイドルの子供に転生したことから、タイトルが「推しの子」となっている。
2021年に「第5回みんなが選ぶTSUTAYAコミックス大賞」で第3位を獲得し、「次にくる漫画大賞2021」ではコミック部門1位を受賞した。また「このマンガがすごい2022」では第7位を獲得した。2022年6月10日にテレビアニメの製作が発表され話題となった。

MAN D-のレビュー・評価・感想

【推しの子】 / Oshi no Ko
9

芸能界の裏側

芸能界の裏側や役者の心情がわかる作品で、1つの事柄に様々な感情や思惑などが絡み合い物語が進んでいく。

1つの作品を色々な見方で解釈していく展開の漫画。ただのアニメではなく、芸能界、役者にフォーカスした作品である。

出てくるキャラクターたちの心情や芸能界という舞台での苦悩、キャラクターの周りの環境など複雑に絡み合って物語は進んでいく。
主人公の母親に対する愛情や苦悩、環境に抗って生きていこうとするところやそれとは違った角度からの話など見方を変えれば色々見えてくる物語の構成、キャラクターの作り込み、単純に見えてこのキャラクターはこう言った考えがあってこういう動きをしているなど、他の漫画とは少し違うと感じた。
単純な復讐の物語という訳ではなく、母親からその子供へと視点を変えて進む物語。主人公の成長とともに見えてくる、真実の切れ端、自分たちの出生の秘密や本当の父親の存在、主人公の青年が死後に前世の記憶を持ったまま推し(応援している相手)ていたアイドルの子供に生まれ変わるという設定。サスペンス要素やファンタジー要素も含んだストーリー。
現実世界を投影した設定や芸能界の闇の部分も取り込まれている。