バケモノの子 / The Boy and the Beast

『バケモノの子』とは、スタジオ地図が製作した長編アニメーション映画。2015年に公開された細田守が監督・脚本を務めた作品。2015年9月にスペインで開催されたサン・セバスティアン国際映画祭では、アニメーション映画としては初めてコンペティション部門に選出された。2015年7月11日-7月12日(土日2日間)の全国映画動員ランキングは初登場で1位。興行収入は58.5億円を突破した。
声優陣が豪華なことで有名。主人公の九太(きゅうた)役は幼少期の声を宮崎あおい、青年期の声は染谷将太が演じており、九太の師匠である熊徹(くまてつ)役を役所広司、九太と図書館で出会う女子高生の楓(かえで)役を広瀬すず、熊徹の悪友・多々良(たたら)役は大泉洋、熊徹の旧友・百秋坊(ひゃくしゅうぼう)役をリリー・フランキー、バケモノ界の長老・宗師(そうし)役を津川雅彦が演じている。
バケモノ界に迷い込んだ人間界の少年・九太と、熊徹という熊のような顔のバケモノの絆を描いた物語。
第33回ゴールデングロス賞日本映画部門・優秀銀賞、第39回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、第25回日本映画批評家大賞アニメ部門作品賞を受賞。

yomogiseo125のレビュー・評価・感想

バケモノの子 / The Boy and the Beast
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強くなりたいは必要か?

日本のアニメで、「強くなりたい」と主人公は決まってこう言います。そして、日本の少年たちも、「強くなりたい」と決まってこう言います。
これらは本当に必要なのでしょうか?
当たり前ですが、強くなる=成長と捉えれば、必要なのでしょう。
渋谷で彷徨っていた少年がバケモノに拾われ、強くなった(=成長した)ことで、周囲の評価が変わり、信頼を得るに至ったのでしょう。
ただただ、渋谷の街をブラブラしても(とはいえ、社会生活的には、成長しているのかもしれませんが)、あまり変わってはいかないでしょう。
そうであれば、帰宅しても厄介払いされるし、勉強を教えてもらうこともないのでしょう。
その人がどのようなストーリーを経て今に至るのか。そして、なにができるのか。そうしたことがあるからこそ、人からの評価は変わってくるのだと思います。
9歳の頃、どの親類からも厄介払いをされていた少年は、バケモノに拾われて、鍛えられることによって成長し、家に戻っても歓迎されるまでになったと見ることができます。
少年が成長した事によってバケモノ自身の評価も上がっていることにも価値があります。やはり、人生には成長するときが必要なのでしょう。
強くなるということは、成長することの1つの側面になるのだろうということです。