『ボヘミアン・ラプソディ』から見るフレディ・マーキュリーという男
この作品は、エジプト系アメリカ人俳優のラミ・マレックがイギリスのロックバンド「Queen」のボーカル、フレディ・マーキュリーを演じて話題となった。
ファルーク・バルサラという青年がフレディ・マーキュリーとして売れていくまでの道筋と、家族との確執、ヒット曲を生み出したことによる栄光、メンバーからの孤立と苦しみ、そして病気により弱りゆく姿などの半生をQueenの名曲の誕生秘話などと共に描写していく。
この作品で注目すべき点は、単純にフレディ・マーキュリーの半生と曲についてピックアップされているだけではなく、フレディ・マーキュリーとの間で繰り広げられる人間ドラマが描かれていること。複雑に入り組んだ関係とフレディ・マーキュリーが持っていた人々への愛、譲ることのできない思いと、それにかける熱意の表れを伝えている。その熱意と共にフィナーレは、誰もが1度は聴いたことあるであろうフレディ・マーキュリーが作り上げたヒット曲満載のライブへとつながっていく。果たしてそこに見えるのは内に秘めた苦悩か、それとも未来への羨望か。
エンドロールでQueenの映像とフレディの死後の出来事が「Don't Stop Me Now」の曲と共に語られている。最後まで目が離せない作品である。