マスカレード・ホテル / MASQUERADE HOTEL

マスカレード・ホテル / MASQUERADE HOTEL

『マスカレード・ホテル』は、東野圭吾の長編ミステリー小説。『マスカレード』シリーズの第1作目。 2011年9月10日に集英社より単行本が発刊され、2014年7月18日には、集英社文庫版が刊行された。舞台となった架空のホテルは日本橋の「ロイヤルパークホテル」がモデルになったと推察されており、このホテルが巻末に取材協力団体として紹介されている。
舞台となるのは「ホテル・コルテシア東京」という架空のホテル。連続殺人事件の捜査の過程でこのホテルに潜入することになった警視庁捜査一課の新田浩介と、彼の教育係についたフロントクラークの山岸尚美が難事件に立ち向かう姿を描く。お互いの立場の違いから衝突することが多かった2人の間に不思議な信頼関係が芽生えていく様子や、予測不能なストーリー展開が人気で2019年1月18日には映画化され、全国公開された。主演は木村拓哉、ホテルマンの尚美役は長澤まさみが務め好評を博した。2020年1月には宝塚歌劇団花組により梅田芸術劇場シアタードラマシティと日本青年館ホールで舞台化された。

kazuhi2のレビュー・評価・感想

マスカレード・ホテル / MASQUERADE HOTEL
10

一流ホテルで繰り広げられるミステリー映画

本作は、東野圭吾の長編ミステリ小説「マスカレード」の第1作目を原作とした映画である。
長澤まさみ演じる山岸尚美(やまぎし なおみ)は本作の舞台「ホテルコルテシア」で働くホテルマンだ。映画の冒頭、理不尽なクレームを寄越す宿泊客を華麗に対処してみせる尚美は、まさに優秀なホテルマンと言える。そんな一流ホテルで、木村拓哉演じる捜査一課の警部補・新田浩介(にった こうすけ)がホテルマンとして潜入捜査をすることから展開していく。潜入捜査が始まってすぐあたりで、ホテルマンにふさわしい身嗜みを強要された新田が散髪をするシーンがある。短髪になり、ホテルマンの制服に身を包む新田だが、その姿は少々板につかない。しかし、映画を通してどんどん様になっていく姿はこの映画の見どころの1つと言える。
ホテルマンとして宿泊客を尊重する尚美、そして刑事として宿泊客の安全を第一に考える新田。それぞれの信念を持つ2人は、最初こそそりが合わないものの徐々にお互いの正義を理解して事件解決を目指すようになる。
本作には様々なクセの強い宿泊客が登場するが、そんな「クセ強」宿泊客が織りなすサイドストーリーも、メインストーリーに劣らぬ面白さがある。そして、メインストーリー、サイドーストーリーに散りばめられた違和感が繋がったとき、本作は急展開を迎える。どんな展開になるかは、実際に見てみてほしい。