星のカービィ / Kirby's Dream Land

星のカービィ / Kirby's Dream Land

『星のカービィ』とは、任天堂の初代携帯ゲーム機「ゲームボーイ」で発売されたアクションゲームである。「絵描き歌で描けるようなシンプルな姿」の主人公を操作して、絵本のような可愛らしい世界や、愛らしい敵キャラクター、アクションとは思えない軽快で明るいBGMの中を進んでいく。意地悪な大王に盗られた食べ物とお宝を取り戻すため、星の旅人・カービィが星中を探検するのが軸となるストーリー。今や任天堂の代表キャラクターとなったカービィのデビュー作である。

小川 俊隆のレビュー・評価・感想

星のカービィ / Kirby's Dream Land
9

鬼畜難易度!でも懐かしくなる不朽の名作

ファイア、アイス、スパークなど色とりどりのコピー能力でおなじみのカービィ!ですが実はカービィには、最初はそもそもコピー能力の概念がなかったって、ご存じでしたか?
カービィが初めて登場したゲームボーイ版『星のカービィ』で使えるアクションは、吸い込み、吐き出し、ホバリング(空気を体いっぱいに吸い込んで宙に浮く)の3つのみ。これら3つのアクションを駆使して、カービィはデデデ大王に奪われた食べ物や、プププランドの秘宝「きらきらぼし」を取り返す旅に出ます。

このゲームの一番の見どころは、やり込みがいのあるアクションです。この頃から既に健在のカービィ作品ならではのポップな雰囲気とは裏腹に、3つのアクションを駆使して進めていく本作の難易度は、歴代でも屈指の高さと評判。

1周目のノーマルステージなら、何度もプレイして慣れてくれば30分も経たずにクリア可能です。
しかしノーマルステージクリア後にその存在を知ることになる、2周目のエクストラステージの難易度は、修羅そのもの。
2周目に登場する敵は、せっかく長時間やり込んで1周目の敵の動きに慣れたプレイヤーの常識を破ってくるような、嫌らしい動きをしてくるのです。

しかも、これまでの敵の倍のHPを削ってくる敵もたくさん登場します。1周目と同じ要領でプレイしようとすると、こちらの動きを見越してぶつかってくるような敵の苛烈な攻撃に、すぐ残機を0まで持って行かれてしまうでしょう。
私も大人になって久しぶりにゲームボーイの実機でエクストラステージに挑戦してみた際は、どうしても途中でゲームオーバーになってしまい何度も投げ出してしまいました。

ですがやはり、エクストラステージを頑張ってクリアした時の達成感はひとしおです。更に、エクストラステージをクリアした人を待つ特典もあるかも…?

難易度は鬼畜ですが、ふとした時に楽しいけどどこか夢心地な本作の音楽やステージの雰囲気が懐かしくなり、またプレイしたくなること請け合い。不朽の名作です。
ただ、コピー能力に慣れた人たちにとっては、アクション面で少し不自由に感じる場面もあるかも知れません。そのため、客観的な評価としては9をつけます。