DEATH NOTE / デスノート / デスノ

『デスノート』とは2003年12月から2006年5月まで『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた大場つぐみ(原作)と小畑健(作画)による作品である。ジャンルはサスペンス、ファンタジー、サイコロジカルスリラーに部類される。
名前を描くと死ぬ「デスノート」を拾ったことから始まる、天才高校生”月”と名探偵”L”による頭脳戦が描かれる。
単行本は全13巻で完結しており、2015年9月時点で全世界累計発行部数は3000万部を記録している。その他にもアニメ化、実写映画化、小説化、また2017年8月25日にはNetflixでオリジナル映画『Death Note/デスノート』が配信されており、国内外問わず人気の作品である。
また海外人気が大きい分社会的影響も多くあり、ロシアやベルギー、中国などでは同作品を彷彿とさせるような事件も起こっているため、中国では2007年に同作品の関連物をすべて没収すると発表された。
また本編連載した後にも映画オリジナルの続編や特別読み切りといった形で続編が掲載されている。

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DEATH NOTE / デスノート / デスノ
8

シリアスな頭脳戦・腹の中を探り合う攻防は先の展開が一切読めない!

名前を書くと、書かれた人間は死ぬ。
死神のノート「デスノート」を拾った、全国模試1位の高校生、主人公の夜神月(やがみらいと)は、デスノートを使って犯罪者を粛清し、犯罪のない理想の世の中を築き、世の中では「キラ」と呼ばれる、新世界の神になるべく行動していく。

一方、そんな殺人鬼「キラ」を捕まえるべく、世界最高の謎の探偵「L(エル)」が動き出す。

サイコ・サスペンスの金字塔『DEATH NOTE』の魅力を徹底解説していく。
1.人を殺しまくる主人公
2.ミステリアスだが謎の魅力がある探偵「L」
3.個性豊かな死神たち
4.頭脳戦に水を指すキャラたち
おまけ.MAD動画でネタになった、月の最期

1.人を殺しまくる主人公
キラである夜神月は主人公。そう、『DEATH NOTE』では、あろうことか主人公が人を殺しまくる。普通、人を殺すなんて大罪はもちろん悪役の仕事。だが、この漫画においてはそうではない。

そもそも、殺人者それも高校生が主人公の物語自体多くないだろうが、それが成立してしまうのは、夜神月の性格や理念にある種の共感を抱くからに他ならない。

彼は殺人者であるが、決して快楽殺人者ではない。悪人を裁くことで、世の中を良くしたい、というすこぶる前向きな動機があるのだ。

実際、悪人の存在によって苦しめられていた人々は、キラの存在に救われていた。月自身も、本質的には極めて真面目な性格で、作中では複数の女性と交際するなど魅力的な人間でもある。
そんな彼だからこそ、殺人者でありながら主人公たり得たのだろう。

2.ミステリアスだが謎の魅力がある探偵「L」
謎の探偵「L」は、普段は姿を見せず、世界の重大事件を解決していた。その見た目はいかにも優等生、という見た目の月とは対照的に髪はボサボサ、目にはクマがあり服装にも無頓着。イスの上では常に体育座り、異常なほどの甘党など、キャラは際立っている。

そんなLだが、頭脳明晰で、キラ事件捜査の初期段階にて、即座にキラが日本の関東地区にいることをつきとめたほど。

容疑者である月を「初めての友達」と呼ぶなど、読者にもその腹の中は読めない。対照的な月との頭脳戦は必見だ。

3.個性豊かな死神たち
デスノートは、そもそも死神の持つノート。死神はそれを使い人間を殺すことで、その人間の本来の寿命を奪って生きている。
ノートを拾った月の前に現れた死神、リューク。カラスのような真っ黒な体に、異常に裂けた口を持つ死神。

見た目は恐ろしいが、人間界のリンゴを好み(死神界のリンゴは砂っぽい)、月の家に誰もいない時は、月とマリオゴルフをするなど人間界を満喫している。
他にも多数の死神が登場しており、異形な姿はどれも個性的。デスノートのルーツである死神は、物語には欠かせない。

4.頭脳戦に水を差すキャラたち
前述の通り、メインストーリーは頭脳戦なのだが、単調にならない様に登場するキャラも、『DEATH NOTE』の魅力。

その筆頭が、日本警察に所属する松田 桃太(まつだ とうた)。警察にコネで入社したと洩らすほど間が抜けているが、正義感は強く拳銃の扱いはピカイチ。
だが、肝心の捜査では先走った行動からLの足を引っ張ることもあり、そのLをして「松田の馬鹿…」と言わしめた。

そして「第2のキラ」こと弥 海砂(あまね ミサ)。
見た目は可愛いゴスロリ少女でアイドル活動もしているが、月よりも年上。2冊目のデスノートを手に入れ、一目惚れした月に認められ彼女になるべく、彼の手先として暗躍する。

暗躍とはいえ、2人のキラが手を組んだことを悟られまいと行動していた月の大学に突然訪れるなど、大胆な行動で予測不能な動きを見せる。
容疑者として監視下ある状況で、月とデートをしたがり、それを監視するというLを「変態」呼ばわりするなど、シリアスな空気を和ませる。
イレギュラーな存在がいてこそ、先の展開をさらに予測不能にする。『DEATH NOTE』の中でも重要な存在。

おまけ MAD動画でネタになった、月の最期
アニメ版『DEATH NOTE』における、月のラストシーンはネット上でカルト的な人気を誇った。

大量殺人機の壮絶な最期をサザエさんのテーマなどでイジった動画は、かなり大量に出回った。シリアスな物語だからこその、しょうもないイジリに爆笑間違いなし。ただし、作品を完走した後に見ることをお勧めする。

他にも、この場で語りきれないほどの魅力がある本作。1度読み始めると止まらなくなること間違いなし。
コミックスも12巻で完結しているので、気軽に読み始められるのもありがたい。

アニメや映画などのメディアミックスは社会現象にもなった、『DEATH NOTE』。まだ読んでないあなたは、損をしている!!!