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王道を超えたラブストーリー『花束みたいな恋をした』の魅力
終電を逃した2人が居酒屋で過ごすという偶然から展開し、ありきたりな恋の始まりだなと思いながらも、つい序盤から画面に引き込まれてしまいました。
物語の冒頭で迅速な展開の後すぐにシーンが切り替わりますが、何事もなかったかのような余韻が残るため、「このシーンは一体何だろう?」と疑問を感じてしまう人もいるかと思います。なので万人受けはしないかもしれません。
それでも王道を踏まえつつも、笑いや感動が満載の名作といえます。恋の美しいだけではなく、儚く枯れていく描写も実にリアルに表現されていました。お互いに誠実で優しい2人であるからこそ、これほどまでに心を痛めるのかと涙した人も多いでしょう。
この映画は、まさに「花束」と呼べるような作品でした。手元がリボンで束ねられ、花は1本1本、それぞれが異なるペースで枯れていきます。この作品でも、ひとつひとつのエピソードが花束を構成しており、2人の5年間のやり取りが丁寧に描かれています。日常の何気ない場面が実にリアルに心に残り、2人のエピソードがどんどん束ねられていくのです。
功名な伏線や予想外のサプライズで笑える場面があるため、「ラブストーリー映画は苦手」という人や、「ラブストーリー映画は飽きたかな」と思う人にこそ見てほしい作品です。