何気ないあのシーンにも意味が込められていた?
いやぁ、『君の名は。』には、本当に感動させられましたよ。
人生で初めて、同じ作品を2周も3週もしてしまいました。
この作品を何回も見て感じたんですが、「喜怒哀楽のコントロール」がとっても上手なんですよね。
繊細な作画、雰囲気のある挿入曲、感情のこもったセリフ、作りこまれた美しいシナリオ。
これらが丁寧に組み合わさって、物語の全編107分、喜怒哀楽のすべての感情で惹きつけられました。
シナリオでいうと、前半は、主人公である瀧と三葉の入れ替わりによるドタバタを描きつつ、後半は、一気にシリアスな展開に持ち込むというもの。
終盤とか、もう、全部の感情がもれちゃいました。
やっと出会えた2人、迫りくる隕石と同時に流れるRADWIMPSの曲、かたくなに協力しない三葉の父、そしてまた再開する2人、また流れるRADWIMPSの曲。
あの場面は何回みても最高すぎて、ぞわぞわっと鳥肌が立っちゃいます。
「予測させず、飽きさせず、かといって迷わせることもなく、常に映画の時間のほうが観客の理解の少しだけ先に行っていて。でも、時々立ち止まって観客の理解が追いつく瞬間を作って、それをまた引き離して」とインタビューで語っていた新海誠監督。
確かに、あれだけの展開が詰め込まれていたのに、ほとんど迷うことなく話を追えていた気がします。そこまでの工夫がされていたとは、天晴れの一言です。
何気なく見ていた、トマトを切るシーンやいろいろな扉が開閉するシーンにも、その工夫がされていたと考えるとすごいを通り越して、もう怖いと感じてしまいます。