青春時代の熱い思いを疑似体験できる
影の薄さを生かしたパスワーク、技を即座にコピーできる身体能力、絶対に外れない3ポイントシュート、どんな態勢からも入るシュート、スピンしながらのダンク、未来が読める目、チームメイトの集中力を上げるゲームメイキングなど、書ききれないほどの超次元技が繰り広げられるバスケ漫画、それが『黒子のバスケ』である。この「とんでもバスケ」が注目されがちだが、見どころはチームワークの良さと登場人物たちのバスケ愛だ。
実力主義者であり個人プレーでもゲームを勝利に導く力のあるライバルたちに、主人公たちが努力とチームワークの力で立ち向かっていく物語には、「こんな青春を送りたかった」と思わざるを得ない。
また、どんなに上手くいかなかったり挫折してもバスケに向き合い楽しむ主人公の愛に感化され、久しくボールに触れていないという経験者は、またバスケがしたいなという気持ちになれる。
漫画としての完成度も高く、最初は多少の違和感のある登場人物たちの絵もどんどんと格好良くなっていく。性格や特技などのキャラクター性も面白い。
また、有名なバスケ漫画作品のオマージュも多く楽しめる。
話の展開やテンポの速さも良く、最終話まで読み終わった後は、彼らの話をもう少し見たかったと思った。