花束みたいな恋をした / はな恋

花束みたいな恋をした / はな恋

『花束みたいな恋をした』とは、2021年公開の日本のラブストーリー映画。主演は菅田将暉と有村架純。『東京ラブストーリー』『Mother』などで知られる坂元裕二によるオリジナル脚本で、終電に乗りそびれた二人が21歳で恋に落ちて、26歳で別れるまでの忘れられない恋愛を描く。坂元裕二はあくまで「普通の恋愛」を描くことを目指しており、等身大の恋愛に共感する視聴者が続出した。

cyber426のレビュー・評価・感想

花束みたいな恋をした / はな恋
8

ときめき・切なさ・一瞬のきらめき全てがつまった作品

まず、この作品は世に溢れる多くの恋愛作品とは大きく異なると言っていいと思う。
映画タイトルにあるように、1つの恋愛が「花束」のように華麗に咲き乱れるときから、いつか枯れてしまうそのときまでが描かれている。
サブカルチャー好きの男女が学生時代に付き合い始め、社会人になってから別れてしまう、この世の中によくある流れが非常にうまいこと描かれていると思う。お互いに相手のことが大切で、相手のためにと思ってとった行動が結果として相手との溝を生んでしまう。学生時代と社会人になってからでは、変わらないようで知らず知らずのうちに価値観は変わってしまうものだ。この作品の中の主人公達も同じで、その価値観のズレが結果として別れへと繋がってしまう。
ただ、そこまでの道のりは決して汚いものではなく、映像として見ていても綺麗。それゆえに切なさが増してしまうのだ。同じような経験をした人は、涙なしで観ることは難しいのではないだろうか。自分の中の昔の思い出、言語化できなかった感情を映像として観させてくれる。
また、作品中には実際のミュージシャンや、有名人も登場しているので、サブカルチャー好きの方も楽しく観られると思う。
楽しい、幸せ、だけで終わらない、どうしても向き合わなければならない現実が目の前に来たときにどう向き合うのかといったところを考えさせてくれる作品である。