NANA / ナナ

NANA / ナナ

『NANA』は、漫画家矢沢あいによる人気を博した少女漫画である。この作品は集英社の『Cookie』という少女漫画雑誌で連載されていた。完結しておらず、漫画家の療養のため休載中となっている。ストーリーの展開は、東京に住んでいる彼氏を追いかけて上京する主人公の小松奈々と、プロのミュージシャンを目指して同じく東京に向かう大崎ななという同じ名前を持つ女の子が出会い、友情や恋愛、挫折や成長をしていくというもの。小学館の漫画賞を受賞した作品で、累計発行部数は5000万部を超えている。映画やアニメ、CD作品だけでなく、世界各国の言語に翻訳されて、世界の町の本屋でも目にするほど広く展開されている。
メインキャラクターが二人存在するかたちだが、性格は対照的に描かれている。ファンの間では、小松派と大崎派にわかれることもあるが、共通項としてあげるならば、どちらもおしゃれで、ファッションセンスが良い。映画では、BLACK STONESとTRAPNESTというバンドが物語の要素となっており、中島美嘉や伊藤由奈らの実力派歌手が起用され、少女漫画からの映画という枠には収まらない音楽性の高い作品になっている。

扇木コウのレビュー・評価・感想

NANA / ナナ
9

漫画『NANA』の魅力

『NANA』は2000年から漫画雑誌『Cookie』で連載されていた少女漫画です。物語は彼氏を追いかけて上京するハチこと小松奈々と、歌手になる夢を叶えるために上京する大崎ナナが偶然同じ新幹線に乗り合わせるところから始まります。そして2人は東京で一旦別れた後、再会し、ひょんなことから同居することに。ハチとナナを中心にして恋愛や複雑な人間模様が描かれており、キュンとしたり切なくなったり、さまざまな感情にさせてくれるストーリーです。

『NANA』の大きな魅力は個性的なキャラクターたち。奈々は人懐っこく天真爛漫で一目ぼれしやすい性格ですが、ナナは複雑な生い立ちで気性が荒く男っぽい性格です。正反対な性格の2人ですが、運命的な出会いを果たしたことがきっかけで、親密な関係になっていきます。他にも2人に関係する様々なキャラクターが登場しますが、皆どこか不器用だったり、時には間違いを犯したり、人間臭い生々しさがあるのが魅力になっており、綺麗な部分だけでなくドロドロした部分が描かれるのも見どころ。複雑に絡み合う人間関係は読み応えがあり、何度読み返しても楽しめます。作者が体調不良のため長い間休載していますが、続きがとても気になるところで休載してしまったので何とか再開してほしいですね。