ヒューマンドラマと怪獣映画のマリアージュ
『ゴジラ-1.0』は、見る前にかなり侮っていました。しかし鑑賞後は、そんな気持ちで見てしまった事を謝りたい気持ちでいっぱいでした。一部、ネタバレがありますのでご注意ください。
前半部分は、物足りない感もあります。ただ特攻帰りの敷島(神木隆之介)と、大石典子(浜辺美波)、太田澄子(安藤サクラ)が戦後の混乱期を乗り越えながら、血も繋がっていない明子を協力して育てていく姿は非常に好きでした。特に敷島と典子の関係はお互いに助け合っていかないといけないのに、夫婦ではない。夫婦になるためには付けなければいけないケジメがあるので…という非常にデリケートな関係が、物語に合っていて好きでした。
浜辺美波を見直してしまう演技でした。敷島の職場の人間描写も見ていき飽きませんでした。一緒にいた人たちが実は凄かったパターンはやはり好きです。
物語は、ゴジラが出てくると一変して、迫力の怪獣映画に様変わりします。巨大な戦艦がゴジラに対して何もできずに沈んでいく様、それを見て絶望する主人公達。「倒せるのか?」という疑問の中で開かれる集会。見ていてワクワクしました。
ゴジラを倒すロジックも良かったです。海神(わだつみ)作戦と予備の作戦の失敗、主人公の覚醒から、とどめを刺す。最後に亡くなったと思われていたヒロインと再会しハッピーエンド。王道展開でも、ベタでも、迫力があり見入ってしまいました。
ツッコミどころはありますがゴジラの迫力と、ホームドラマの2つの要素が上手く混じり合っていた良作だったと思います。
怪獣映画に飽きてきた人、ヒューマンドラマが好きな人、浜辺美波ファンは必見だと思います。