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『ダークナイト』を見て私が思ったこと
私が何度も観ている好きな映画はバットマンが登場する『ダークナイト』です。3本同じ監督のシリーズでこの作品は2作目として公開されました。
ただカッコイイヒーロー映画ではなく、様々な登場人物の思惑が交錯する中身の濃い作品です。
主な登場人物の主人公ことブルース・ウェインや敵のジョーカー、警官のゴードンのほかに町中のギャングたちそれぞれの思いが入り交ざって物語が進みます。
その中で印象的なキャラクターは地方検事として出てくるハービー・デントです。自らの正義をかたくなに信じ、前半はジョーカーやギャングたちと戦うのでした。しかし途中でジョーカーの罠にかかり、恋人を失って顔面の半分を焼かれてしまいます。けがをして入院している彼のもとにジョーカーが現れ、「人間は善も悪もない、基本的なところでは、自分のことしか考えないのだ」と言い放つと、デントは理性を狂わせてしまいます。そして、報復のために行動するようになりました。
この一連の件は正義の味方から悪者への変化が説得力のある描写で表現されており、監督が意図して伝えたかったのは、弱っている時に心を揺さぶられると人間の信念は曲がるものだということではないかと感じました。
おすすめの見どころはほかにもたくさんあるものの、人間の心とは何かという問いかけを考えさせられる映画です。