「いい意味で!」期待を裏切っていく!!
『呪術廻戦』をひとことで表すと「期待を裏切り続ける」漫画。
「呪術師」という呪術を用いて呪霊を祓うことを専門とした、呪術師を養成する高専に所属する生徒並びに教師陣。またフリーで活躍する呪術師を主人公サイドとし、人の負の感情から生まれる呪霊を祓っていくという物語。
このようなサラッとした簡単な説明を聞くと、「まぁそこまで斬新ではないかな」と思ってしまう人も多いのではないだろうか。だが1度『呪術廻戦』の世界に足を踏み入れて読み込んでいくと、その展開の裏切り方に誰もが驚かされていくと思う。
物語序盤、主人公が一旦死んでしばらく出てこない。多くの漫画を読んできたが、このように「主人公がかなり序盤に死ぬ」という展開は初めて出会い、度肝を抜かれた。
また作中最強の師匠・先生ポジションが、物語中盤に思ったよりあっさり封印される。そして結構長い間封印されたまま出てこないのだ。そして封印を解かれ出てきたと思ったらラスボス戦に意気揚々と参戦。誰もが勝つと思っていた矢先、体を真っ二つに切られあっさり死亡してしまう。
「最強」を序盤から謳っており、戦闘シーンも本当に強く、味方からも敵からも認められるほどである。最後まで活躍し続けて主人公に力添えをするか、主人公以上に活躍してくれるのではないかと思ったら、あっさり死亡した。これはもう開いた口が塞がらない。
また作中では他の主要キャラや準主要キャラもバンバン酷い倒され方をしていくので、読み進めながら「最終的に誰が生き残るのか」を予想していくのもまた面白いのではないかと思った。
何度読み返しても新しい発見やさらなる考察、行き過ぎと思っても案外行き過ぎていない深読みがどんどん溢れてくる、何度も美味しく楽しめる漫画だ。