ゴジラ-1.0 / Godzilla Minus One

ゴジラ-1.0 / Godzilla Minus One

『ゴジラ-1.0』(ゴジラマイナスワン)とは、世界的に有名な怪獣映画『ゴジラ』シリーズの生誕70周年を記念して制作された映画作品。監督は山崎貴、主演は神木隆之介で、「戦後、日本。無から負へ」とのキャッチコピーで話題となる。
太平洋戦争が集結して間もない東京。元特攻隊の敷島浩一は、仲間を見殺しにした罪悪感に慄きながらも懸命に生きていた。そんな折、東京に恐竜じみた巨大生物が出現。それが戦時中に見たゴジラという怪物だと気づいた敷島は、仇討ちのために、日本の未来のために、命懸けでこれを倒さんとする。

sk17569のレビュー・評価・感想

ゴジラ-1.0 / Godzilla Minus One
8

ゴジラ生誕70周年記念映画は先祖返り

ゴジラ生誕70周年記念作となった今作の舞台は、ゴジラの先祖返りを目指した第二次世界大戦直後です。
アメリカ版や庵野秀明版では、巨大化した姿が印象的で完成度も高かったのに対し、この映画のゴジラは、初代にならって身長が50mほどになっていました。大分小柄になったものの、良くなった映像技術の影響もあり、俊敏な動きが怖かった印象が強いです。
建物が壊された銀座で暴れるシーンは、ゴジラの足元で逃げ惑う大勢の人々が細かく描かれていたため、特に迫力があり背筋がぞくっとしてしまいました。
ゴジラと人々の距離がとても近く、見ている自分も踏みつけられるのではないかという錯覚に陥ったほどでした。
時代的に自衛隊や防衛組織がなく、高度な化学兵器もなかった中、ゴジラに立ち向かう人たちも日本人だけでできる限りの技術で倒そうとしていました。成功するか、しないか全くわからない作戦に参加し、ゴジラに挑む人々が僅かな期待でも諦めずに戦う姿が印象的でした。
また、人間側のドラマにも深く踏み込んで描かれていました。主人公の元特攻隊の青年は、死ぬのが嫌で逃げ出したことが心のトラウマになっており、葛藤していました。そんな青年を支えていた周囲の人たちの姿が感動的でした。