追う理由はただ1つ…まだボールが落ちていないから
主人公「日向翔陽」は中学3年にして念願のバレーボール公式戦の出場を果たす。だが初戦は強豪校の中でも、他校にまで名を轟かす天才セッター「影山飛雄」がいるチームだった。助っ人を集めて何とか出場規定を満たした日向のチームは、全国大会出場経験のある影山のチームに手も足も出ず、見る者は負けを確信していた。圧倒的な点差の中、明らかに間に合わないであろうボールを日向は懸命に追う。その姿に後輩はどうしてそこまでするのか疑問を投げるが、日向の答えは単純だった。「まだ負けてないよ?」その言葉に影山は思わず気圧される。どれだけリードしていても、既定の点を取らなければ勝利ではない。チームメイトが既に勝利を確信しているが、影山はただ1人気を引き締めていた。その矢先、セッターのトスミスで反対側に飛んだボールを、日向は抜群の運動神経で間に合う。奇しくもボールはアウトとなり敗北を喫してしまう。影山は日向の圧倒的な潜在能力を認めるが、それでも勝利し最後までコートに残るのは自分だと豪語する。
以来ネットを挟むことなく時は流れ、日向はバレーを始めるきっかけとなった「小さな巨人」の異名を持つ選手が所属した「烏野高校」へと入学する。入部は当然バレー部。勢いよく体育館に向かった先で出会ったのは、自身に敗北を与えた「影山飛雄」だった。コートを挟み争った2人は、高校で同じネット側に立ち、全国大会を目指すべくコンビとなる。