終わりが地獄と分かっていても見ることをやめられない青春悪夢アニメの第2期
大人気アニメ「呪術廻戦」の2期は、原作が出たころから人気のある章でした。
ゴールは”地獄”とファンの間では言われています。
それなのに見ることをやめられない、見ずにはいられないのがこのアニメの魅力です。
”呪い”をテーマとした原作であるのに、2期の中心は”人間の負の感情”。だからこそ夢中になってしまいます。
キラキラしたヒーローもののように何かを犠牲にして何かを得るのではなく、戦って得たのは「孤独」なんです。俯瞰してみると一見不条理だと感じてしまうのに、実際に何かを代償に得られるものなんかないと私たちは知っています。
命をかけて何かを守った経験などほとんどの人が経験をしていないのに、それでも感情の投影がやめられません。
また、ストーリー性はもちろん面白いのですが、視聴者側に「こうしていれば」という想像が止まりません。
こうしていれば「孤独」ではなく「愛」を得ていたのではないか、ああできていれば今でも彼らは、と考え続けてしまいます。
全ての感情や出来事が明かされていないからこそ面白みが増しています。
そして注目すべきはOPとEDの映像です。ここには本編にはないアナザーストーリーが描かれています。簡潔に言うと、OP・ED映像が天国であるのに対し、本編が地獄なのです。”悪”とされているものを見続けると”悪”の感覚や認識が鈍ります。
例えば戦闘アニメだと”殴る””蹴る”の残虐さを度外視し、”戦闘”することが当たり前のように感じます。
これが呪術廻戦2期にはないのです。呪いを払うということは当たり前の世界なのに、地獄の苦しみが和らぐことはありません。
さらに原作はこれ以上に地獄が待ち受けているのに、見ることをやめられない麻薬のようなアニメです。