酷評が多いようだが実際はそんなことはない
公開1週間後、劇場に足を運んだ。
なぜすぐに行かなかったかというと、情報が少なすぎたからであり、レビューの酷評があまりにも多かったからである。
また、前回の宮崎駿監督作品の”風立ちぬ”は個人的にそれほどヒットしなかったのでハードルは非常に低かった…。
開始10秒で舞台は戦時とわかる。
”火垂るの墓”か”風立ちぬ”?と観客全員思ったであろう。
でもそこからジブリの不思議ワールドへと徐々に入っていく。
最終的には時代は戦時中であるということは頭からなくなり、一緒に連れて行った6歳と11歳の子供は夢中になっていた。
主人公はもののけ姫のアシタカと千と千尋の神隠しの千尋の幼さを混ぜたような感じであり、ヒロイン(?)は魔女の宅急便のキキを思わせる。
お父さん役はキムタクでハウル。これだけで宮崎駿の集大成とわかる。
またメタファーが非常に多くて1度の鑑賞では絶対に理解できない。
理解できないのを酷評の材料としている輩が非常に多くて残念である。
理解しやすい心に響くアニメを見たいのであればアンパンマンをお勧めする。
理解できないものを楽しめないのは大人のエゴで、連れて行った子供たちは感覚でこの作品を名作と捉えていた。
それがいつもジブリで掲げるテーマである「大人と子供」。子供にしかトトロは見えないのだ。子供の様に純粋に見ればこの作品は名作で、大人の様に味わい深く深堀りすればこれまた名作。
その間のそのような鑑賞能力がない人物は理解できずに置いて行かれて、駄作と刻印を押す。
また、鳥が今回キーとなっている。
鳥と言ったらカラスやハト、スズメであるがこれに出てくるのは青サギとインコ、ペリカンである。
敵であるインコとペリカンは戦時中の時代背景において誰を表しているのだろうか。
青サギは味方になったり敵になったり戦時中の時代背景において誰を表しているのだろうか。
また、空に飛んでいく無数のワラワラという白いすみっコぐらしは精子を表しているのではないだろうか?とか色々な考察が出来る。
合ってるかどうかはわからないがそれが名作というものである。
簡単に理解できるようなものは芸術ではなく娯楽というカテゴリーである。宮崎駿は最後に娯楽作品ではなくアーティストとして芸術作品を作り出したのだと思う。