五条悟・夏油傑の高専生時代が辛すぎる単行本8・9巻
虎杖たちの教師で最強の術師として登場する五条先生。単行本8・9巻ではその五条先生が高専生だった時の話が描かれています。人類最強の術師である五条悟と最悪の呪詛師と言われる夏油傑。実は2人は高専生時代、親友だったのです。8・9巻ではどうして夏油傑が高専を離反することになったのかが描かれています。
漫画を読む前は、呪詛師になった夏油に対して嫌悪感がありましたが、漫画を読み終わると夏油の離反に納得しました。夏油は星漿体の任務で天内理子を目の前で亡くし、後輩の灰原が任務で死に、ある村では呪霊が見える双子が村で虐待を受けている姿を見ます。いくら特級の術師であっても、17歳の少年が経験するには、耐えられないほどの辛さだと思います。呪霊が見えて術式があるだけで、他の高校生とは変わらないはずですが、夏油たちは生死をかけて戦います。また周りの人が当たり前のように死んでいってしまいます。呪術師になると自分で決めたことであったとしても、高校生の子どもが体験するには重すぎです。
また仲間が死ぬという経験をした子どもに対して、カウンセラーをつけたり、十分な休息が必要です。当時の高専生たちはそのようなケアを一切受けていないようでした。他にもアニメ2期で夏油は任務まで一人で電車で移動していましたが、アニメ1期で虎杖たちは保護監督の人たちが運転する車で送迎されています。夏油が離反したことで、呪術師である生徒たちをどのようにケアしていくのか見直しがされたのでしょうか。夏油の離反の理由は、表向きには「非術師が生み出した呪霊を仲間の術師が祓い、死んでいくことに耐えられない」というものでした。しかしそのような状況があったとしても、学生を大切にする姿勢が夏油たちが在籍していた時からあれば、夏油の離反は避けられたのではないかと思ってしまいます。