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生きるとは何か、良い人とは何か。軽快な文章で綴られる人間の本質。
2000年より電撃文庫にて出版されている「キノの旅 the Beautiful World」は、時雨沢恵一によるライトノベル作品です。
様々な都市国家が散在する架空の世界を舞台に、旅人のキノが相棒のエルメスと旅をしながら、様々な国を巡るという短編、1話完結型のファンタジーです。それぞれまったく異なった文化や文明を持つ国々を巡りながら、人間の美しさや尊さ、時には醜さを繊細に描いた作品となっています。
2001年12月にはラジオドラマ化、2003年4月から7月までテレビアニメ第1作が放送され、2005年、2007年には映画化、2017年10月から12月にかけてはテレビアニメ第2作が放送されました。長寿作品でありながら、若年層への普及率も高いと思われます。
本作の魅力は、前述した通り、人間の醜さや美しさが如実に描かれていると同時に、それをまるで童話の世界のような世界観で表現していることだと思います。
本来、中高生向けに刊行されているライトノベルですが、その内容は年齢が高い方たちにもお勧めできるものだと感じています。
ド派手なバトルや目立ったお色気要素があるわけではありませんが、しっとりのんびりと読書を楽しみたい方にはお勧めできる作品となっております。