ケンタッキーを用意しての試聴をオススメします!
黒人差別が蔓延る1960年代のアメリカで本来は交わることの決してなかった二人が出会い、衝突を繰り返しながら次第に理解し合い、友情を育むお話です。
高級キャバレーで用心棒を務めていたトニーは店の改装工事をきっかけに2ヶ月間の失業を余儀なくされ、偶然にも同じ時期に南アメリカへの音楽ツアーを計画していたドクターの運転手の「週100ドル、運転や身の回りの世話込み」との求人を見て面会へ訪れます。
しかし、当時黒人差別の激しかった南部へのツアーや黒人への偏見を持っていたトニーは黒人のドクターに雇われる事を不服として「週125ドル、身の回りの世話はしない」との条件を提示します。
交渉決裂かと思われましたが、ドクターは彼のトラブル解決能力を高く買ってトニーの上限で雇う事が決まり、文化や思想の違いで衝突しながらも一緒に過ごすうちに主従関係を超えた友情が芽生えます。
一番印象的なシーンとしては、ケンタッキー州を通る道すがらトニーはフライドチキンを購入し車内で食べ始め、ドクターにも手渡します。
「皿とフォークがない」と話すドクターに半ば強引に「手で食べるんだ」と手渡し、骨をどうするかと聞かれたトニー車窓から外へと放り投げて見せ、それに戸惑いながらも同じく外へと食べ終わった骨を放り投げるドクター。
その瞬間車内にはまるで子供のように無邪気に笑う2人がいました。
その前まで音楽や食文化、それぞれの考え方などの違いで対立する二人が初めて一つの文化に対して同じ感情を共有した印象深いシーンであり、思わずケンタッキーを食べたくなるシーンでした。