映画「竜とそばかすの姫」の紹介
細田守監督の作品は海外でも絶大な人気を誇っており、この「竜とそばかすの姫」は特に評価の高い作品です。
この映画をスクリーンで見た時は完成度の高い音響と映像に心を奪われ、自分もUの世界に迷いこんだかのような心地よい浮遊感を覚えました。
舞台は高知県であるということから高知の名所やゆったりとした自然の描写がとても美しく、それと対比するバーチャル世界の近代的な世界観、そして壮大な音楽がこの映画が評価される最大の要因です。
私がこの映画で最も心を奪われたのはベルの歌声です。
元々気になっていたアーティストである中村佳穂さんが主人公すずを演じるということで注目していたのですが、その歌声は想像を遥かに上回るものがありました。
声量も申し分なく透き通るような歌声が心地よく、映像の美しさも相まって釘付けになってしまいました。
作中では正体のわからない竜を探し出すすずの芯の強さに惹かれます。過去の悲しい出来事から歌うことができなくなってしまい、塞ぎこんでいたすずがUの世界でベルとして歌を歌うことにより成長していく姿に目が離せませんでした。
ネットの世界でアバターを使い、もう一人の自分を生きるという点ではサマーウォーズを思い出させる演出があります。しかしストーリーとしてはサマーウォーズは一人の敵を大勢で倒す、竜とそばかすの姫では一人の敵を大勢から守ると言った展開であり、前作とはまた違った魅力を感じます。